1枚のトランプを4分の1ずつに切り離して、それを順番につないでいく、というのは、カードマジックの魅力的なテーマです。破ったカードを元の1枚に戻すだけなら、テンヨーの「カードケース」を使ってやさしくできますが、カードはいちどケースにに入れて、フタをする必要があります。一方、いっさい道具を使わず、手に持った1枚のカードを破り、目の前でつないでいくという見せ方もあります。その場合、4分の1ずつつながって、4分の2、4分の3につながった状態を見せていくということによって、本当の魔法のような効果を出すことができます。しかし、それはかなり高度なテクニックを必要とし、熟練を要するものです。
ルーバー・フィドラーの「ゴッドハンド」は、道具によってこのテーマに挑みましたが、使うのは1枚のお皿だけ、手でカードをおおいますが、カードの一部は見えたまま、つまりカードをすり替えることなく、目の前で復活させていくという奇跡を起こします。ルーバーのアイデアは、ときとして人間の目の錯視を利用しますが、それは本に解説されたり、テレビで紹介されたりする錯視と違い、使用する素材、補助的な装飾など、あらゆることを現実の世界で繰り返し実験し、最良のものを見つけ出します。「ゴッドハンド」も、原理は以前からあったもののように見えながら、色の光沢、影のあり方など、完璧な効果を生み出すよう工夫されています。テンヨーの鈴木が、さらに改良を加え、分割されたカードを、つなぐ前に動かして見せられるようになり、考案者の想像を超える作品となりました。
テンヨーの新製品は日本で発売されたあと、数ヶ月してから海外でも発売されるのですが、アメリカでは「ゴッドハンド」のうわさを聞きつけたファンの方が、「ゴッドハンド」を早く「ヒューマンハンド」の元に届けてくれとチャットに書いていました。
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