古くから知られている音を使ったギャンブル・マジックに、3つのマッチ箱を使うものがあります。ひとつの箱を振ってマッチ棒が入っている音を聞かせ、マッチ箱をかき混ぜたあと、観客にマッチの入った箱を当てさせるのですが、観客はどうしてもその箱を当てることができません。じつは3つの箱はどれも空っぽで、演技者は好きな箱から音を出すことができるようになっています。袖の中にマッチ棒の入った箱をゴムバンドで止めておき、音をさせたいときは、そちらの手で箱を取り上げて振り、音をさせたくないときは、反対の手で振ってみせるのです。
そんな機構を箱自体に取り込んだのが、1969年に発売した「ペネトロコイン」で、木製の箱に使われた機構は、多くのマニアをうならせたものです。「トラップボックス」は、構造をさらにコンパクトなものとし、かつ品物をひそかに抜き取るためのメカニズムも組み込み、小さな箱の中にアイデアがたっぷり詰まったものとなりました。持ち運びやすく、手軽にマジックを見せられる道具です。
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